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歯周病が影響を及ぼす全身の疾患について

こんにちは、歯科医師の村瀬です。今日は歯周病が影響を及ぼす全身の疾患についてお話しさせて頂きますね。

 

目次:

1:歯周病について

2:歯周病と糖尿病

3:歯周病と心臓血管疾患

4:歯周病と低体重児早産

5:歯周病と誤嚥性肺炎

 

 

 

 

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1:歯周病について

歯周病菌は歯肉に攻撃を仕掛けて身体の中に侵入しようとし、身体は菌をやっつけて侵入を抑えようと攻撃します。これが歯周病の始まりで、歯肉からの出血・発赤・腫脹等の炎症の症状です。出血をそのままにしておくと、歯垢は歯周ポケット内に潜り込み、どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。

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2:歯周病と糖尿病

歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。血管に入った細菌は体の中で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は細菌が死滅しても残り、筋肉細胞や脂肪細胞に作用して糖の代謝を妨げたり、膵臓で作られるインスリンインスリン(血中の糖濃度を下げるホルモン)の働きを弱めます。さらに糖尿病が悪化することにより糖尿病の合併症(網膜症、腎臓病、神経障害)の発症リスクも高まります。

 

一方、糖尿病で血糖コントロールが良くないと感染に対する抵抗力が低下し、口腔内細菌が増殖しやすくなることから歯周病に悪影響を与えます。

 

 

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3:歯周病と心臓血管疾患

慢性的な歯周病により歯周病菌が血管内に入り込み、心臓に送られます。そこで歯周病菌が心臓の弁や内膜にとりついて感染し、心内膜炎を起こします。

また、歯周病菌が心臓の血管にとりついて血栓を形成すると血管が狭くなったり、血管内皮に傷が入ることにより動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクが高まります。

また、動脈硬化は心臓だけでなく全身のあらゆる血管で起こる可能性があり、脳卒中等の発症リスクも高くなります。

 

 

 

4:歯周病と低体重児早産

妊娠するとホルモンの影響で口腔内の細菌バランスが乱れ、歯周病菌が増殖することにより炎症性物質が過剰に分泌されます。この炎症性物質が歯肉の血管から侵入し、子宮の収縮運動を促進するため早産や低体重児出産につながります。

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5:歯周病と誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。

気管や肺は咳をすることで異物から守られます。しかし高齢になるとこれらの機能が衰える為、食べ物等と一緒に歯周病菌を含んだ唾液を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。口腔内に細菌が多いと免疫力の衰えた高齢者では肺炎を発症する原因になります。

 

 

これまで歯周病は口の中だけの病気と考えられてきましたが、このように口の中だけでなく全身の健康に影響を及ぼしています。歯周病は定期的に歯石除去やクリーニングを受けることで予防する事が可能なので、気になる方は当院にお越しくださいね。

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91年の歴史がある親知らずを抜くなら小倉南区の歯医者さん

医療法人 徳和会  上田歯科医院

院長・歯学博士  上田和茂

住所:福岡県北九州市小倉南区北方1丁目12-40 第一菊ビル2階

TEL:093-921-1806

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